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内科・外科・消化器内科
胃カメラ・IPLも対応
東京メディカルテラス
(江戸川病院サテライトクリニック)
東京都港区北青山2-13-4
青山MYビル4階

電話予約: 03-6721-1899

NKT細胞癌免疫治療

はじめに

当院の院長は、surgical oncologist(腫瘍外科)として30年以上癌治療を行って参りました。日本癌学会、癌治療学会、臨床腫瘍学会等より2007年に発足した、日本癌治療認定医機構による認定や消化器外科学会癌治療認定医も取得しております。

癌を根絶する方法は、完璧な手術しかありません。癌に気づかれないように愛護的に切除することができれば根絶できます。最近は放射線治療も進化を遂げましたし、化学療法(抗癌剤治療)は分子標的薬などの新薬の開発が後を絶ちません。しかし、これらの治療は癌細胞をゼロにすることができません。なぜなら癌細胞のDNAには地球歴史上の全ての情報が詰め込まれており、あらゆる物質の攻撃に対して必ず立ち向かう策を準備して来るからです。1度目の攻撃が有効でも、2度目3度目の攻撃が不十分になることが多いのはそのためです。しかし抗癌剤は、確実に癌細胞を弱らせることができます。そしてオプジーボ(ニボルマブ)の開発が、さらに化学療法を進化させました。図1に示す7step癌免疫発動理論は、自己免疫細胞が癌組織に対して攻撃する仕組みを示しますが、癌組織は免疫細胞攻撃部隊のターゲットにならないように巧みに逃れています(図2)。これを免疫学的寛容(癌細胞の免疫逃避)と呼びます。図1でT細胞と書かれているNKT細胞が主役です。オプジーボは、免疫を逃れるために癌細胞が作り上げた免疫チェックポイント分子という隠れ蓑を剥がし、免疫細胞(活性化NKT細胞)が攻撃目標を捉えることができるようにする薬剤です。免疫機能を逃れて生きる癌細胞を治療するのは、結局薬剤や放射線ではなく、外科医による手術か、人間が持つ免疫細胞による攻撃でなければ根治は困難なのです。

院長は外科医として、手術で癌を切除してきましたが、このNKT細胞こそ、細胞レベルで癌細胞を手術する名外科医:ドクターXです。

癌細胞が切除範囲にとどまっていれば、手術によって確実に癌をゼロにできます。しかし切除範囲を超えて広がっている癌は、人間の手による手術ではゼロにすることはできません。そこで、NKT細胞による手術が必要なのです。この画期的なNKT細胞による癌免疫治療の研究によって、将来癌治療の根幹となる治療であることも実証され始めています。

ただ、癌治療に長期に携わり、癌患者との壮絶なやり取りを経験してきた医師が行う必要があります。治療効果の専門的評価をし、次の治療方針を組み立て、患者に対して理解できる説明をして行かなければならないからです。また手術や放射線治療を受けた方や抗癌剤を使用する方もいらっしゃいますので、その治療についても熟知した医療者でなければ、癌免疫治療を集学的治療の一環として、臨床の場に持ち込むことができません。今まで患者さんが受けた治療を無駄にせず、現在の医療とも連携した体制を組み、患者さんが孤立することのない優しい診療を構築する癌治療専門医として、癌免疫治療の将来を担って行きます。

ここで癌免疫治療の紹介をしますが、理解を深めるために「細胞の話」を致します。

細胞の話

細胞核の中のDNAには生体が生きるために必要な遺伝子情報プログラムが暗号化されて詰め込まれています。その暗号は細胞間での通信に使う言語や怪我や病気になったときの緊急事態に対する救済処置マニュアルなど、多数のプログラムが含まれています。例えば、指をカッターナイフで1cm程度切ったとします。命に関わるほどの傷ではありませんが、受傷した場所ではてんやわんやの大騒ぎになっています。血管が切断され出血しますので、まず止血機能が働きます。止血機構のシグナルが全身に送られ、障害場所に血小板が集結し血栓を作って切断面の血管からの出血を止め、その後血栓を溶解するとともに血流を再開させ、組織が壊死に陥らないよう新しく血管を作り(血管新生)、酸素や栄養を切断された組織に供給します。酸素不足に陥った組織が周囲に助けを求めるシグナルはHIF-1(低酸素誘導性転写因子)という暗号でDNA中に存在します。このシグナルが発信されると組織は自動的に低酸素省エネモードに切替り、周囲組織からは酸素供給支援が始まります。その後、負傷部位の修復が始まり治癒に向かうのです。これが創傷治癒過程初期の仕組みですが、DNAがタンパク質をシグナルにした言語を使って会話をし、人命救護ならぬ細胞救助を行っているのです。体内ではそういった完璧なライフラインが存在しています。私たちの住むエリアのインフラより素晴らしいシステムが体内には備わっています。

細胞は細胞分裂し、DNAもコピーされます。コピーするたびにDNAの両端にあるテロメアというコピー読み取りに重要な部分が消費されて短くなって行き、最後はコピーができなくなります。これが老化であり細胞死(apotosis)です。細胞は生きるという意志と共に死ぬという意志を持っていることになります。なぜなら人間は37兆個の細胞からできていて、組織の形も大きさも個々に決まっていますから、細胞分裂して2倍になれば組織の大きさも2倍になり困ったことになります。胃の細胞が分裂しても胃袋が2倍になることがないのはapotosisによって調整されているからです。

癌細胞は生きるという意志が強く、死ぬという選択はしません。だから細胞分裂し続けて腫瘍増殖するのです。老化しても生き続けるので、途中壊死に陥る細胞も出現し、腐った組織は臭気を放つようになります。腫瘍増殖するとその中心部は酸素や栄養が行かなくなり、組織は悲鳴を上げます。そして周囲組織に救援を求めてHIF-1シグナルを出し、血管新生を起こしますが、それでも苦しくなるとDNAの中を検索し、保身のために転移という選択をします。まずDNAの「間質細胞への変異方法」というジャンルを開き、白血球のような仮足と変形能を手に入れ、歩いて血管やリンパ管の壁まで行き、変形して壁をすり抜け、流れに乗って遊走し別組織にたどり着くと、今度はその組織のIDをDNAから手に入れ、そこに生着して転移を完成させます。IDがあれば、見回りの免疫細胞が組織の異物である癌細胞を、敵だと見抜くことができないため、排除できません。

生物が地球上に誕生した40億年前から大災害や感染、放射線などの危機を経験しながらDNAは少しづつ成長・発達・変異しながら、生存し続けた結果、多少の事態には対応可能なマニュアルを作り上げました(図3)。当然癌細胞も外界からの攻撃には耐えうる力を持っていますので、手術によって完全に取り除くことができれば人類の勝ちですが、抗癌剤や放射線治療ではDNAの中の知識を利用して生き残る癌細胞が出てきます。しかし、人間自身が持つ癌に対する免疫が機能すれば、同じDNAを持つ者同士の闘いですから、必ず秩序を守った正規の細胞軍が勝利するはずです。老化して行く癌細胞軍に勝ち目はありません。だから私は癌との闘いは、手術と免疫治療しかないと確信しています。

将来、癌細胞にapotosisを呼び戻す薬品が開発されるまでは・・・

ここまで正常細胞の話をしてきましたが、癌細胞も蛋白シグナルで周囲の細胞たちと会話しながら生き続けます。40億年間かけてDNAに詰め込んだ情報を使って生きるための努力をしているわけです。酸素や栄養が足りないときには、オレオレ詐欺のように他人を騙して奪い取ったりします。いわゆる「死なない悪い細胞」です。

癌細胞は、生き延びるためのIDを持っていますから免疫細胞から身を隠しながら大きくなって行きます。先に述べましたが、2014年に本庶佑先生の研究チームが開発したニボルマブ(オプジーボ®︎)は免疫チェックポイント阻害剤と言われ、免疫学的寛容を取り除き、免疫担当細胞に癌の正体を晒すことで、癌組織を攻撃する薬剤です。しかし癌細胞が次なるIDを手に入れれば、また免疫は標的を失い活動を停止してしまいます。そこで、闘う相手を認識させ、標的(target)として追い続ける指令を与える治療が必要になってきます。

癌免疫担当細胞の説明

私たちが持つ免疫は、主に白血球が担っています。白血球は好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球そして単球に分類されます。一部のリンパ球は単球の一種でもありますが、癌免疫の中枢を担うのは単球です。単球はおよそ7種類に分類されますが、その中で癌に対する免疫機能を有する細胞として、最も注目を集めているのがNK細胞とT細胞の両方の機能を併せ持ったNKT細胞です(図4)。

これらの免疫担当細胞群(単球)は常に働いているものもいますが、休止中のものもいます。そして免疫学的寛容によって癌細胞を見逃してしまっている単球もいます。

図4に示すように、様々な単球が活躍しています。自然免疫と獲得免疫に分かれ、外敵と判断した異物に対して即座に対応するNK細胞は、非常に強い攻撃力を持っているのですが、自己細胞が変異した癌細胞に対しては十分な力を発揮できません。T細胞は攻撃対象であることを樹状細胞(抗原提示細胞)から指示されて攻撃を開始しますが、NK細胞ほどの攻撃力がないのが欠点です。その両方の長所を持つNKT細胞を利用するのが最も効果的な癌免疫治療であると考えられるようになりました。

NKT細胞による癌免疫治療の実際(α-Galactosylceramide刺激自己樹状細胞を用いたNKT細胞標的治療)

癌免疫治療として免疫担当細胞を活用する様々な方法が試されてきました。しかし最も効果的な方法としてNKT細胞が注目され、この細胞を直接採取して培養増殖させ、身体に再投与する方法が試されましたが、単球自体が血球の1%しか存在しない上に、NKT細胞はわずか0.1%にも満たないこと、そして寿命も数日しかありません。このことからも直接採取による再投与は効果を示さないと判断されます。

そこでNKT細胞を活用するために、理研免疫再生医学研究所が注目し開発した方法が図5に示す癌免疫トライアングルです。1%の単球を採取し、それを樹状細胞に分化させ、癌細胞を攻撃するよう指示を出す成熟樹状細胞を培養し、体内に戻し、体内にあるNKT細胞に対して、長期的に癌細胞への攻撃命令を出させれば、効率的な癌免疫治療が得られるという方法です。その実際の治療の流れを図6に示します。

  1. 単球の採取(アフェレーシス=血液成分分離)この過程は当クリニック内で行います。図6左側の東京メディカルテラスの部分です。
    〈手技説明〉
    患者さんを仰臥位とし、局麻下に鼠径部の大腿静脈に14Gのdouble lumen catheterをcanulationし、約2〜3時間血液を体外循環させ、遠心分離型血液成分分離装置(COM.TEC)にて末梢血単核球(PBMC)を1x109個程度採取します。血液量としては、PBMCを主成分として100~150mL程度と血漿50mL程度を採取することになります。体外循環総血液量は4000mLを目安とし、医師が静脈を確保できないと判断した場合には、動脈からアフェレーシスを実施することもあります。

  2. 採取後採取した単球成分は、2〜8℃の冷蔵保存とし、細胞培養加工施設(京大桂VP・CPC 施設番号FA5190003)に専門業者によって移送します。

  3. 細胞培養加工施設では、採取した単球を用い、分化誘導因子を添加して一部を樹状細胞に分化させ(図7)、約2週間で2X106個以上の樹状細胞にまで増やします。さらに免疫機能活性物質を作用させることでNKT細胞を、癌細胞をtargetに攻撃させることができます。抗原提示細胞と呼ばれる樹状細胞はNKT細胞やT細胞に標的(target)の指示を与える細胞(抗原提示細胞)として癌攻撃の司令塔にするには、癌細胞をターゲットだと指示する癌幹細胞抗原(α-Galactocylceramide)を接着させて樹状細胞を成熟させます。この成熟した樹状細胞を5mlずつの血漿内に入れ、-80℃に凍結したものを数個作成します。

  4. −80℃に凍結した成熟樹状細胞を東京メディカルテラスに移送し、1バイアルずつ解凍し患者に点滴投与します(図6右側東京メディカルテラスの部分)。元来自分の免疫細胞ですのでほとんど副作用はないと考えていますが、万が一何か異常があればその場で対処し、帰宅後も連絡を取り合いながら対応して行きます。体内に入った樹状細胞は、患者体内のNKT細胞に対し抗原提示(癌細胞をターゲットとする指令)を行います(図8)。

以上がNKT細胞による癌免疫治療の仕組みです。NKT細胞に指令を与えることで癌細胞を切除するというこの方法は、理論的にも有効なものです。臨床効果も出ており、実際進行膵癌が劇的に収束している症例を目の当たりにしています。しかしまだ保険適応にはなっていないため、陽の目を浴びていません。日本の医師は厚労省の公務員のようなものですので、保険適応になっていない治療は厚労省が認可していない不正治療であるとします。実際私も5年前まではそう考えていました。しかし、海外では各ガイドラインに沿った自由診療が主体ですので、医師の裁量と患者の希望が生かされます。私は、早期癌は手術によって切除し“ゼロ”にするのが最高だと思っていますが、手術で治せない時期の進行癌に対してはNKT細胞による手術しかないと信じています。私たちは進行癌に対してこの治療を実施し、その症例集積と経過観察による病態評価を十分に行うことで、しっかりとした研究結果を残すために努力します。

現時点では進行癌(全身癌)に対しての各マニュアルは、化学療法(抗癌剤治療)となっています。抗癌剤投与で免疫力低下を招きNKT細胞治療に障害をきたすことはあっても、NKT治療が抗癌剤治療の障害になることはありません。しかし多くの癌治療医は、NKT再治療を選択するなら責任は持てないと言って診療拒否をするようです。ナンセンスな言動でありますが、日本の実情です。しかし患者に責任を持つということがどういうことなのか考えて欲しいのです。自分の私生活も捨ててでも、患者に寄り添う覚悟があるのでしょうか。覚悟のない医師の身勝手な一言で、多くの患者さんがNKT治療を諦め、悲しい思いにならないよう望みます。

先ほど述べたように、抗癌剤はNKT治療に障害をきたすこともありますが、全てがそうではありません。その説明と癌細胞の免疫逃避に関して追加します。

化学療法によるNKT細胞の活性化

図10に示すように、化学療法(抗癌剤)によって少なからず癌細胞は障害を受け、死滅する癌細胞もいます。
死滅した癌細胞からDAMPs(Damage-Asssociated Molecular Patterns)、すなわち癌抗原が逸脱します。この抗原を樹状細胞が取り込みNKT細胞に抗原提示を行うことで癌細胞への攻撃が始まります。
従って、抗癌剤自体が癌細胞を破壊するだけではなく、免疫細胞のサイクルも回し始めているのです。ただしここに癌細胞の免疫逃避(免疫学的寛容)が立ちはだかります。

癌細胞の免疫逃避に対する対処方法

癌細胞は常に免疫からの逃避をおこなっています。転移して逃げるだけではなく、自らをベールで覆い免疫細胞から身を隠しています。そのベールを剥がしてくれるのがニボルマブ(オプジーボ®︎)です。

ここでは詳細な機序の説明は割愛しますが、このベールを剥がすことで、NKT細胞は簡単に癌細胞を見つけ攻撃することができるようになりますが、その効果は数回のみで、癌細胞は新たなベールを見つけて再度身を隠してしまいますので、できる限り早急にNKT細胞の攻撃が完成しなければならないと判断しています。

もう一つ重要なことは、このNKT細胞による癌免疫治療効果は抗がん剤の効果と異なり、長期に効力を発揮するということです。図11に示すように体内で約1年の持続効果が認められています。

治療効果判定とその時期(院内スケジュール・プロトコル)

癌治療を行う場合、その方法によっても効果判定時期と方法が異なりますが、NKT細胞による癌免疫治療は、手術と同様の考え方で評価して行くべきであると思っております。
個々人の癌腫と病態によっても異なると判断されますが、成熟樹状細胞投与スケジュールに合わせた血液検査(腫瘍マーカー等)や画像診断を行います。その後1ヶ月から4ヶ月の期間に予定を組みますが、腫瘍縮小効果があり、かつ臨床症状も落ち着いていれば(PR以上)、年1回の精査で良いと考えます。
その上で下記評価を行い、本人・家人に説明を行います。他院への情報提供の必要があれば同時に情報提供書を作成します。

総合評価説明
CR (Complete Response)標的病変の完全消失、かつnew lesion出現なし
PR (Partial Response)標的病変の径和が30%縮小
PD (Progressive Disease)標的病変の径和が20%以上増大
SD (Stable Disease)標的病変の変化が少ない

画像検査は、レントゲン検査、内視鏡検査、超音波検査、CT、MRI、PET等で行います。腫瘍の評価可能病変を設定した上で、腫瘍マーカーや臨床症状を含む身体所見と照合し、診察を行って総合評価を致します。当院では胸・腹部レントゲン検査、胃カメラ、超音波検査を行い、他は連携施設で行います。

予期される効果と副作用

1)効果について

NKT細胞標的治療はすでに大学等の研究機関で臨床試験が行われ、進行性肺がんや頭頸部がんに十分な効果を示唆する結果が発表されています。しかし治療によって得られる効果は、患者様の病態、血液状態などによって個人差が生じますのであらかじめご了承ください。当クリニックでは、患者様が現在治療中(通院中)の病院にご協力をお願いし、効果判定に必要な検査データを収集し検証したいと考えています。今後も引き続き信頼のできる治療が提供できるように、患者様ごとに最適な投与法を行います。NKT細胞標的治療は、理論的には全てのがん患者に行うことが可能な治療方法ですが、全てのがん患者で投与の結果が検証された治療法ではありません。参考として、医師主導型治験として行われた、肺がんと頭頸部がんに対するNKT細胞標的治療の結果については(7)の①の文献に提示しております。

2)治療の副作用について

『GMP基準準拠アルファ・ガラクトシルセラミド』で刺激した樹状細胞を投与した後にGrade2以下の副作用として、発熱や全身倦怠感、呼吸困難感などが起こることがあるとされていますが、多くの場合38℃未満で2日以内に解熱する軽微なものです。また、ごく稀にアレルギー様症状も見られるようですが、心配はありません。
これまでの臨床試験の実績においては、有害事象として、ALT、AST、ALP、CRE、LDHの上昇等が臨床検査値異常として認められましたが、治療を要するレベルには至っていません。しかしながら、注意深い観察をしながら治療を行います。

3)アフェレーシスに伴う副作用について

腕や鼠径部等の血管から血液を体外循環させますが、血管への穿刺には十分に消毒を行い、これに習熟した医師が行います。まれに穿刺した箇所に皮下出血を認めることはあります。アフェレーシスに伴う副作用としては、全身倦怠感のほか、採血の緊張から迷走神経反射を起こし、めまい、吐き気・嘔吐さらに徐脈と血圧の低下が見られることがあります。心電図モニターを装着して、注意深く症状を観察しながら採取速度を調節を致しますので、重篤化することはありません。症状が出現した際は、アフェレーシスを中断し、適切な処置を行い、直ちに症状を改善します。
また、アフェレーシスでは体外循環を行いますので、血液が凝固しないよう抗凝固剤を使用します。これに含まれるクエン酸によって血中のカルシウム濃度が低下することがあります。初期症状としては口唇、手指でのしびれであり、さらに進行すると嘔気・嘔吐、手指筋肉の痙攣が出現します。クエン酸ナトリウム投与中に、予防的カルシウム投与も行いますが、初期症状が認められた時点で採血・返血速度を遅くすることで急激な血中クエン酸濃度の上昇を抑制し、あるいはカルシウムを追加投与することで症状を改善させます。
稀に一過性の血小板減少がみられることもありますが、すぐに回復するため血小板輸血が必要になることはありません。

癌免疫治療に対する文献の紹介

新しい概念に基づく癌免疫治療―NKT細胞標的治療

NKT cell-targeted anti-cancer immunotherapy based on a novel concept
独立行政法人理研化学研究所統合生命医科学研究センター 谷口 克

これまでの癌免疫治療は、癌免疫に関わる免疫細胞1種類だけを標的にした治療法であったため、再発が起こることが問題であった。ダオ3世代の癌免疫治療―NKT細胞標的治療として、NKT細胞は患者体内のNK細胞およびキラーT細胞の両方を“増殖・活性化”でき、「HLA発現を失った癌細胞」と「HLA発現のある癌細胞」の2種の癌細胞を同時に排除できる仕組みを利用している。NKT細胞標的治療第Ⅰ/Ⅱa臨床試験では、進行肺癌治療群17例の60%の平均生存率は30ヶ月で、優位な延長が見られた。

臨床外科学会誌 68(8):908–914, 2013

 A Phase I Study of A-Galactosylceramide (KRN7000)–Pulsed Dendritic Cells in Patients with Advanced and Recurrent Non–Small Cell Lung Cancer

Aki Ishikawa,1,2 Shinichiro Motohashi,1,2 Eiichi Ishikawa,1 Hiroki Fuchida,1Kazuko Higashino,1 Mizuto Otsuji,2 Toshihiko Iizasa,2 Toshinori Nakayama,1 Masaru Taniguchi,3 and Takehiko Fujisawa2
1Department of Immunology and 2Thoracic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan and 3Laboratory for Immune Regulation, RIKEN Research Center for Allergy and Immunology, Yokohama, Kanagawa, Japan

ABSTRACT
Purpose: Human VA24 natural killer T (NKT) cells

bearing an invariant VA24JAQ antigen receptor, the counterpart of murine VA14 NKT cells, are activated by a specific ligand, A-galactosylceramide (AGalCer, KRN7000), in a CD1d-dependent manner. I.v. administration of AGalCer-pulsed dendritic cells (DC) induces significant
activation and expansion of V
A14 NKT cells in the lung and resulting potent antitumor activities in mouse tumor metastatic models. We did a phase I dose escalation study with AGalCer-pulsed DCs in lung cancer patients.

Experimental Design: Patients with advanced non – small cell lung cancer or recurrent lung cancer received i.v. injections of AGalCer-pulsed DCs (level 1: 5 􏰁􏰁􏰁􏰁 107/m2; level 2: 2.5 􏰁􏰁􏰁􏰁 108/m2; and level 3: 1 􏰁􏰁􏰁􏰁 109/m2) to test the safety, feasibility, and clinical response. Immunomonitoring was also done in all completed cases.

Results: Eleven patients were enrolled in this study. No severe adverse events were observed during this study in any patient. After the first and second injection of AGalCer- pulsed DCs, dramatic increase in peripheral blood VA24

Received 7/22/04; revised 12/3/04; accepted 12/9/04.

Grant support: Program for Promotion of Fundamental Studies in Health Sciences of the Organization for Pharmaceutical Safety and Research (Japan); Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (Japan; Grants-in-Aid for Scientific Research, Priority Areas Research no. 13218016; Scientific Research A-2 no. 15209045, Scientific Research B no. 14370107, Advanced and Innovational Research Program in Life Science, and Special Coordination Funds); Ministry of Health, Labor and Welfare (Japan; Grants-in-Aid for Research on Advanced Medical Technology); Kirin Brewery Co.; and Uehara Memorial Foundation.

The costs of publication of this article were defrayed in part by the payment of page charges. This article must therefore be hereby marked advertisement in accordance with 18 U.S.C. Section 1734 solely to indicate this fact.

Note: A. Ishikawa and S. Motohashi contributed equally to this work. Requests for reprints: Toshinori Nakayama, Department of Immunol- ogy, Graduate School of Medicine, Chiba University, 1-8-1 Inohana, Chuo-ku, Chiba 260-8670, Japan. Phone: 81-43-226-2186; Fax: 81-43- 227-1498; E-mail: tnakayama@faculty.chiba-u.jp.

D2005 American Association for Cancer Research.

NKT cells was observed in one case and significant responses were seen in two cases receiving the level 3 dose. No patient was found to meet the criteria for partial or complete responses, whereas two cases in the level 3 group remained unchanged for more than a year with good quality of life.

Conclusions: In this clinical trial, AGalCer-pulsed DC administration was well tolerated and could be safely done even in patients with advanced disease. 

治療に関わる費用

初診料:33,000円(税込)
感染症等検査費(初診時のみ):33,000円(税込)
治療費:3,534,000円(税込)
※培養に関わる費用、検体移送費、使用薬剤費、消耗医療機器等の費用も含む

総額:3,600,000円(税込)
※細胞培養が開始された後は返金できません

まとめ

以上、NKT細胞による癌免疫治療についての個人的な意見を含めた解説を行いました。

癌治療は、手術・放射線治療・化学療法・緩和医療そしてそれらを組み合わせる集学的治療があり、癌治療専門医も増えています。しかし患者さんを最後まで診ない専門医が増えているため、癌難民は増加しています。癌病巣をコントロールできず、治療に行き詰まることがあっても患者を見捨てることのない医療でなければなりません。なぜなら医療しか患者を幸せにする道はないからです。道がなくなっても道を作ってあげなければなりません。

「もう治療は全てやり尽くしたから、家族と温泉にでも行きなさい」:

家族と平穏な死を迎えることを望む優しい言葉に聞こえますが、医療から放り出された患者さんにとっては残酷に思う方もいます。本人が治療を望んでいる限り、医療という枠の中に居させてあげなければならないという思いで、私たちは絶対にあきらめない診療を継続します。

NKT細胞癌治療免疫治療は、患者さんの身体に負担の少ない効果的な医療です。
この治療に賛同し、応援して頂ける方は、下記にご連絡ください。


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